特別公開・国宝展示
特別公開
重文 唐院潅頂堂
長日護摩堂(初公開)、重文 三重塔
長日護摩堂が初公開
唐院は、開祖・智証大師の御廟を中心とする寺域の総称で、貞観10年(868)、清和天皇から内裏仁寿殿を下賜され、大師が唐から将来した経典類を納めたことに由来しています。
このたび公開される潅頂堂は、三井流の密教を伝授する道場、初公開となる長日護摩堂は、人びとの所願成就を祈願する道場として後水尾天皇の寄進によって寛文6年(1666)に建立されました。三重塔は、慶長6年(1601)に徳川家康によって寄進されたもので、内部に安置される釈迦三尊像は、元和9年(1623)、後陽成天皇の7回忌に宮中で行われた法華八講の本尊として造像されたものです。
期 間:11月16日(土)〜12月8日(日)
拝観料:500円
特別公開
三井寺の至宝
三井寺の歴史が息づくギャラリー
三井寺文化財収蔵庫は、桃山絵画の最高傑作とされる国宝・勧学院客殿の狩野光信筆の障壁画39面をはじめ仏像、仏画、仏具など重要文化財13件53点を収蔵、展示しています。このたびのご即位を記念して、めったに公開されることのない智証大師ゆかりの至宝、国宝・五部心観、国宝・智証大師関係文書の内から越州都督府過所、尚書省司門過所を公開します。
期 間:10月1日(火)〜12月8日(日)
拝観料:300円 会場:文化財収蔵庫
特別展示
国宝 五部心観 2巻(完本・前欠本)
インド伝来の世界最古の金剛界曼荼羅
五部心観は金剛界五部の諸尊の観法を説いたもので、各尊像を上段に描き、中段には上の像に伴う梵字眞言、下段には三昧耶形、契印を示し、尊名の梵字を書いています。巻末に描かれている僧は善無畏(ぜんむい:インド生れの密教僧、唐時代中国で活躍)で、柄香炉を持って諸尊を供養しています。墨線による白描画であるが、豊満な諸尊の姿に盛唐期の密教画像の特色が現れています。
特別展示
国宝 越州都督府過所
国宝 尚書省司門過所
国宝 越州都督府過所
国宝 尚書省司門過所
世界最古のビザ(査証)
「越州都督府過所」は、大中9年(855)3月、天台宗の僧・円珍が越州(紹興)の開元寺から唐の都・長安に向かうときに越州都督府が発給したものです。「尚書省司門過所」は、同年11月に長安から天台山(浙江省)に戻るときのもので、中央官庁である尚書省によって発給されました。いずれも交付した役所名、出願者や従者の身分、姓名、年齢、携行品、旅行の目的や理由などが詳細に記されており、この過所を所持した一行が無事に通行できるよう発給者の署名と官印が捺されています。